36歳、男、ドラマと生きる。

メインコンテンツは… ①随時更新、ドラマ褒め! ②春、夏、秋、冬、期待ドラマの紹介 ③勝手にドラマアワード どうぞ末永く宜しくお願い致します。

是枝恐怖症に陥っている皆さん。是非、もう一度だけチャレンジを。

是枝さんの作品って、なんでかわかんないけど期待値だけは確実に高まる。
でも正直、見て、面白かったー、とはなりにくい。途中で寝てしまうこともシバシバ。
それなのに、新作やってるとなると、期待がムクムク。摩訶不思議。

でも大丈夫。
今回はいけます。今までと違う。

以下、ネタバレあり。

 

オススメ① 物語


子供に平気で万引させちゃうような、モラルの低い人達の話。
家族全員がマイルドヤンキー。アバズレ。アウトサイダー。犯罪者。

にもかかわらず、なんか楽しそうで、狭い空間でくっつきあって生活してる。
だからってベタベタするわけでもなく、絆を声高に叫ぶわけでもない。

なぜなんだろう。

世の中からはみ出すことよりも、モラルをおかすことよりも、世間から白い目で見られることよりも、
この人達が大切にしてるものって何なんだ。

 

 

オススメ② キャスト

みんな他の作品では見せられない表情、全開。
好きなキャストが出てるのなら、その人の今まで見たことがない表情を見たいなら、絶対に見たほうがいい。

リリイフランキー、安藤サクラ樹木希林
なんの違和感もなく”底辺”という言葉を連想させる。
世代別ダメ人間の代表例のよう。

そしてJK役の松岡茉優。いい感じの体当たり。
そこにぶつかる池松壮亮。セリフ無し。

池脇千鶴高良健吾の”正しい”役も、絶妙。


オススメ③ 音楽

細野晴臣による感情の終わりに色をつけるような音楽。
過剰な表現はせず、ほんとに映像の補助にちょっとだけ。
だからこそ現場の音が引き立って、ナマナマしい。

 

印象的なのはエンドロール。
ものすごく素っ気ない。飾り気がい一切ない。ワードで作ったの?と思うような。

そこから推測すると。
もしかしてスポサンサーがついてないのではないか。だって万引きを推奨するような映画、資本主義の敵やし。

だからこそカンヌをとったような気もする。

おかげで、これまでのように商業主義に汚されることもなく、監督の想いがそのまま映画にできたのかもしれない。

次回作も是非このスタイルで。